生活習慣病

高血圧症

高脂血症

高血圧症とは血圧が高い状態が続く病気で、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上のときをさします。血圧の高い状態が続くと、動脈硬化が進んで血管が厚く硬くなり、血管内の圧力が高まって血圧が高くなります。原因には遺伝的なものと、肥満、塩分の過剰摂取、ストレス、喫煙といった生活習慣などの環境的なものの他に、ホルモン異常があります。
高血圧症の約5%は原発性アルドステロン症という副腎からのホルモン異常によるとされており、一般的な高血圧に対する薬物治療と異なり手術で根治することもあるため、高血圧症の方はスクリーニング検査(血液検査)をすることをお勧めしています。
多少血圧が高くても自覚症状はないことが多いため、日頃よりご自身の血圧に関心を向けておくことが重要です。高血圧症の治療としては、まず生活習慣を見直すことが大切ですが、それでも血圧が改善しない場合は薬物治療が検討されます。
高血圧症から動脈硬化が生じて進行すると、様々な合併症が起こります。狭心症、心筋梗塞、心不全、脳梗塞、脳出血、認知症、大動脈瘤破裂、大動脈解離、慢性腎臓病、眼底出血と多岐に渡ります。自覚症状がなく病気が進行し、時には死に直結することもあります。日常生活に大きな支障を残す可能性がありますので、早めに適切な治療を受けることをおすすめします。

糖尿病

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンで、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。糖尿病の初期には自覚症状は乏しいですが、進行するとのどの乾き、尿量の増加、体重の減少、疲労感などが生じます。また糖尿病は進行すると全身の血管や神経に障害を与えます。血管に大きな負担をかけ続けることで動脈硬化を進行させ、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こすリスクを上昇させます。他に糖尿病に特有の合併症として糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害があります。糖尿病性網膜症により失明、糖尿病性腎症により腎不全、糖尿病性神経障害により足の潰瘍や壊疽などが起こる可能性があります。血液透析に至る原因の第一位は糖尿病による腎障害です。

脂質異常症

血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質が多い状態を脂質異常症と言います。
動脈硬化を促進させ、さまざまな生活習慣病の要因となるので、定期健診を受けて自己管理に努めることが大切です。自覚症状の少ない生活習慣病のなかでも、脂質異常症は特に症状がでないため、健康診断などで初めて分かることがほとんどです。
脂質異常症を放置してしまうと気が付かないうちに動脈硬化が進行し、狭心症・心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患のリスクを高める危険があります。
脂質異常症の予防として、規則正しい食生活、適度な運動、ストレスをためない、禁煙・アルコールを控えるなどがあります。
血液中の脂質にはLDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)があります。悪玉コレステロールや中性脂肪が多いことに加えて、善玉コレステロールが少ないケースでも問題が生じるため、現在ではそれも含めて脂質異常症と呼ばれています。

脂質異常の基準値(空腹時)

高LDL(悪玉)コレステロール血症 ≧140mg/dl(120~139 mg/dlは境界域)
低HDL(善玉)コレステロール血症 <40 mg/dl
高トリグリセライド(中性脂肪)血症 ≧150 mg/dl

高尿酸血症(痛風)

血液中の尿酸値が高い状態で血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症は痛風や腎結石、尿路結石の原因である他に、肥満や高血圧症、脂質異常症、糖尿病を合併することが多くなっています。予防にはアルコールの量を減らす、プリン体を多く含む食品の摂取を減らす、軽い有酸素運動を行うことが有効です。

骨粗鬆症(骨そしょう症)

骨粗鬆症とは骨密度(骨量)が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。現在日本では約1000万人を超え、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。初期には目立った症状がないので気づかず、骨折したり周囲の人から腰の曲がりを指摘されて気づく場合も多いです。診断はX線検査による骨折の確認や、骨密度を測定することで行います。骨粗鬆症は特に閉経後の女性に多く見られ、女性ホルモンの減少や老化と深い関係があると考えられています。この病気による骨折から寝たきりになり、介護が必要になってしまう人も少なくありません。治療の中心は薬物療法となりますが、食事や運動などの生活習慣の改善も深く関わっています。薬物治療とともに食事療法や運動療法も併せて行い、骨折しないように骨の強さを高めていくことが大切です。

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